編集、デザイン、写真、メディア運営……クリエイティブの視点からコンテンツを提供する スタジオダンク


モンテッソーリ教育に学ぶ 日々の暮らしに“子育て”のヒントあり

2019年3月28日
編集後記
若狭 和明

子育て関係の書籍を制作

文化出版局より「モンテッソーリ子育てグッズ」を発売しました。子どもの自立をうながす、準備する力を伸ばす、手先を器用にすることを目的にしたグッズの作り方を解説しています。

 

 

2019/2/25「モンテッソーリ子育てグッズ―子どもたちに作りたい贈りもの―」(文化出版局)

著者は、同じく文化出版局から2018年3月に発行した「モンテッソーリ子育て〜はじまりはお家から〜」の藤原愉美さんで、本書でもグッズの作り方以外に、モンテッソーリ教育に基づいた子育てのヒントになる情報も掲載しています。

ちなみに「モンテッソーリ教育」とは、20世紀初頭にイタリアのマリア・モンテッソーリ博士が考案した教育法で、子どもの可能性を信じ、環境を整え、必要なときにサポートする教育内容です。

2018/3/18「モンテッソーリ子育て〜はじまりはお家から〜」(文化出版局)

今回の子育てグッズでは、バッグ、エプロン、ハンカチ、アクセサリーといった身につけるもののほかに、シール貼りグッズや、ボタンどめの練習グッズなど、子どもが手先を使って扱うものの作り方も紹介しています。

「小物入れに折り紙ポシェット」は、折り紙の感覚でふたを閉める。

「とめてつなげるお魚や食べ物ボタン」は、ボタンどめの練習に。

 

制作を担当したスタジオポルトは、著者と一緒に企画から考え、作品選定、撮影、デザイン、製図作成などトータルで誌面作りをしました。読者に親近感を持ってもらえるように、作品はすべてハウススタジオで撮影しています。

「準備が楽しくなるレッスンバッグと靴袋」は、段取り力が身につく。

 

それぞれのグッズが子育てにどう役立つかを解説しているのも本書の特徴です。2歳半の娘を持つ私としては、娘のことを想像しながら編集しました。

作った本の内容を我が家で実践

本書の内容は我が家の子育てにも取り入れています。新しいことに挑戦するとき、大人が子どもに声かけしながら行うのが重要ですが、例えば我が家ではお絵描きをするとき、「ここに大きな海がありました♪ 海になにがあるのかな♪」と私がうたいながら海を描きます。すると娘はなにか言葉を発しながら(うたいながら)、好きな色のクレヨンで私の描いた海の上に好きな絵を描きます。描いたものがなにかはわかりませんが、とても楽しそうに毎日絵を描いています。子どもは充実を感じることで、新しいことにどんどん挑戦しようとします。それが本書で紹介する作品のコンセプトでもあります。

私が青のクレヨンで描いた海に、2歳の娘が自由に描いたもの。

グッズの制作では、本書を作る前からすでに妻が実践していました。パンダの刺繡をしたポシェット。私がパンダの刺繡を指さして「これはなに?」と聞くと、娘は「シャンシャン」とこたえます。娘は「パンダ」という名称より先に「シャンシャン」を覚えました。よって、どのパンダを見ても「シャンシャン」といいます。娘はお出かけの前に、ハンカチとティッシュ、あとお菓子の付録の「マイク」を自分で入れるようになりました。

妻が作った「シャンシャン」刺繡のポシェット。

自分が読者になれる本の制作は、普段感じていることを誌面に反映させることができ、また疑問に感じていることを著者に相談して、それを誌面にいかすこともあります。子育ては親子で楽しむもの。答えはひとつではなく、その家庭や子どもの数だけの答えがあります。本書を参考に、ぜひ我が家流のアレンジをしてください。

若狭 和明
スタジオポルト編集部部長。日本にある価値、を本で表現し発信するのが制作コンセプト。読者の心をくすぐりたい。