編集業務の一環として、カメラマンや著者とともにロケや取材に赴き、現場のディレクションをするのも編集者の務めです。
今回は私が実際におこなった内容をとおして、どんな場所にいったり、何をしているのかを知っていただければと思います。
「来週あたりに高知の取材ロケがあるんだけどいってみる?」
上司である渡辺さんのそんな言葉に、完全に好奇心だけで「いきます!!」と自分でも珍しく元気な返事をして1週間後、成田空港に私はいました。
そう、一人で……。
私は当時まだ入社して1ヵ月が過ぎたころで、当然、渡辺さんに同行するかたちでいくのだと思っていました。机上での研修は受けていましたが、現場は未経験ですから。しかしロケ数日前に、
「じゃあカメラはこれを使って、必要だったらPCも持って、当日は成田空港集合になってるから」
とどこか他人事のように説明をする渡辺さん。
「あれ?渡辺さんも来るんですよね?」と確認をしたら、
「え?俺はいかないよ?」
…ここでやっと単独ということに気付きました。
あの「いってみる?」という言葉は、「(俺の代わりに)いってみる?」ということだったんですね。
もう決まってしまったことは仕方がないので、いざ私自身初めての高知へ!高知龍馬空港へ到着すると、ご当地ゆるキャラの「まち・ゆうき君」がお出迎え。カツオと笑顔でおもてなしをすることがコンセプトで、ゆる~い顔をしてますね。愛くるしい。
そもそもこの取材は、航空会社のジェットスターがLCCとして初めて高知へ就航する記念イベントで、実際に高知の食やアクティビティをプレ体験するものでした。そこへ私が携わっている「ソトレシピ」というアウトドア料理メディアが招待され、味が濃厚なことで有名な高知の冬野菜と、アウトドアフィールドとしての高知の素晴らしさを伝えるのが目的です。
空港から移動し、まず訪れたのがこちら「スノーピークおち仁淀川(によどがわ)キャンプフィールド」。
その名の通り、アウトドアブランドで有名なスノーピークが運営しているキャンプ場です。今回は1泊2日の行程で、ここでロケをして泊まるのですが、ロケーションが本当に素晴らしかったです。周りは山に囲まれ、目の前には一級河川の仁淀川が流れています。
すでに現地スタッフの方がテント設営や撮影用の料理の準備をしており、さっそくその風景や調理シーンの撮影開始。ここまで楽しそうにお伝えしてきましたが、実際は緊張と不安で別の取材の人たちとは会話もできず、人見知り全開でした。撮影でも、事前に一眼レフの簡単な操作方法を教えてもらっただけなので、必死にその場で上手く撮れるように四苦八苦していました。正直この時点では楽しむ余裕一切なしです。
実際にこのとき撮った写真がこちら!料理にピントを合わせたいのに、ワイングラスが非常に綺麗に撮れていますね!(この写真はもちろんボツになりました)
ダッチオーブンの大事なオープンシーンでは、左下に見切れ、寄りが足りない、そもそも開けるタイミングを逃している。間違い探しみたいで面白くなってきますね。
という感じで、最初は取材班として散々な内容でした。
そんな私がやっと楽しめるようになってきたのが、初日の夕食のときでした。
初日のスケジュールがすべて終わり、あとはお酒を交えながら皆さんでBBQ!ようやくお酒の力を借りてほかの方たちと会話ができ、楽しくなってきました。やっぱり大人数で焚き火を囲って食べるご飯は美味しいですね。
この日は夜遅くまで高知の地酒を堪能しました。高知の人はお酒がほんとに好きなんですね!高知には「返杯」というお酒の飲み方があるそうで、お酒を注がれた人はそれを飲み干し、今度は相手にお酒を注いで飲んでもらう。これを延々と繰り返すそうです…。高知の人とお酒を飲むときは十分注意しましょう。
写真のほうもどうでしょうか!だいぶカメラにも慣れてきて、夜の難しいシチュエーションでもいい感じで撮れてますよね。これは映え。
この高知のトマトやブロッコリーなどの冬野菜なんですが、味がとにかく濃くて美味しいんです。調味料なしでも野菜の味だけで絶品のトマト煮込みなどができ、普段はお肉大好きなのですが、この日は野菜ばかり食べてしまいました。是非、冬の高知を訪れたら食べてみてください。
翌日は朝から目の前に流れる仁淀川で、水切り体験を行いました。実は仁淀川は水切り世界大会の会場にもなっているんです。
さっそく私も挑戦。東京の多摩地区の自然で育った腕もあり。10回以上はいけました!
ちなみにこの写真は、昨晩仲良くなった方に撮って頂きました。高知のお酒に感謝!
実際、取材先ではコミュニケーション能力が仕事を円滑にするのに非常に大事です。お酒の力を借りずともできるよう、精進していきます。
そしてこれが日本一の青さと呼ばれる「仁淀ブルー」!
日本の河川のなかでもここまでの青さは珍しいそうで、とても綺麗でした。しかも驚くのが、この日は多少の雨が降る曇り空でこの青さなんです。この場所は安居渓谷と呼ばれる仁淀川上流部で見ることができるので、是非こちらも訪れてみてください。
この高知ロケの詳細はこちらで記事になっています。
以上、衝撃の単独高知ロケをメインに紹介させていただきましたが、ほかにもアウトドア系を中心にロケをしているのでいくつか紹介します。
この写真は一ノ瀬高原キャンプ場(山梨県)で2泊3日のロケをしたときの一枚です。料理ページ用に作ったこの串焼きが絶品で、特に左のカマンベールチーズのベーコン巻きは最高でした。
またまた料理ですが、こちらは青根キャンプ場(神奈川県)でのソトレシピの撮影ロケ。上司が所有するテントとキャンプ道具に囲まれ快適に過ごしていました。
こちらは「CAMP HACK」というアウトドアメディア記事のため、私が実践しているシーン。フェザースティックという、薪を削ることで羽のような部分を作り、火をつけやすくするアウトドアテクニックなのですが、この羽を作るのが本当に難しいんです。奥まで削りすぎて、何度も出来てた羽をパーにしました。
いかがでしたでしょうか。編集者と聞くと具体的にどんな仕事をしているのかイメージしづらいと思いますが、ロケにいったり自分で撮影もしたりと動き回ることが多いんです。またジャンルも多種多様なので、同じ会社の編集者でもそれぞれの感性や知見を活かし、専門性をもって各現場で活躍しています。
私はまだまだ編集者としての歴が浅いので、物怖じせずにこれからもいろいろなことに挑戦していきたいと思っています。