こんにちは。前回の投稿では高知県仁淀川でのロケの様子をお届けした、新米編集者の高橋です。
早いもので、入社してからもう一年が経ち、編集者2年目となってしまいました。ですが、まだまだ一人前には程遠い……。既に新しい新入社員も入ってきており、焦りが出ている今日この頃です。
しかし、相も変わらずアウトドアを中心に各地へロケや取材をしており、今回もその様子をお届けしようと思います。(むしろこれ以外ネタにできるようなのがなく…。)
取材先は「立山黒部アルペンルート」と呼ばれる、富山県の立山駅と長野県の扇沢駅を結ぶ交通路。北アルプス立山連峰の険しい山脈を、総距離37.2kmをかけて開通させた、世界有数の山岳観光ルートです。
このルートを通るには様々な乗り物を乗り継いでいく必要があり、この乗り物を子どもや親御さん向けに紹介するという内容の仕事でした。
それもそのはず、ここは「雪の大谷」と呼ばれる立山のなかでも特に積雪量の多いエリアで、観光名所として有名なところ。
このときは5月中旬のため5~8mほどの高さでしたが、4月の一番高いときはなんと最大20m、長さ500mにもわたってこの雪壁が続いているそうです。ぜひ画像検索してそのスケールを見てみてください。
これでライチョウを見つけられなかったら、取材的にも、全員のモチベーション的にもまずい……。そう思っていたとき!
颯爽と山の上から1匹のライチョウが滑空してくるではありませんか!
ライチョウはキジ科のため基本的には飛ぶことはできないのですが、数メートル羽ばたいて滑空することはできるんです。
逃げないように静かに、けれども確実に距離を詰めていき、見事写真に収めることができました! この写真はわたしのスマホで撮ったものなので映りはイマイチですが、カメラマンさんはばっちりキレイに押さえています。
みな一同に喜んだこの瞬間は、とても印象に残っています。こういう奇跡的なことが起きたりするので、取材は面白いなとあらためて思いました。
このロープウェイを見て、なにか気付く点はないでしょうか?
そう、駅と駅の間にロープを支える柱が1本もないんです。
「ワンスパン方式」とよばれる方法で、ロープの端に「重すい(じゅうすい)」という1つあたり85tもある重りを全部で4つ操作することで、1700mもあるロープをたるむことなく運行させることができるんです。ちなみにこの長さは日本一。
そもそもなぜこのワンスパン方式にしたかというと、見ての通り冬は斜面が雪に覆われ、雪崩が頻繁に発生します。そのため柱が倒されてしまう危険があるので、この方法にしたという訳です。
また支柱がないことによって、ロープウェイから360度の大パノラマを楽しむことができるのも大きな利点となっています。
前から名称は知っていましたが、初めて目にしてみるとスケールの大きさに唖然としました。写真に写っている人の大きさを見てみれば、この巨大さがよくわかると思います。
そしてこの小さな人の手によって、これが作られたことにまた驚きを感じました。一体どれだけの時間と労力がかかったのだろうかと。
先ほどまでの立山黒部アルペンルートともう一つ、北側へ流れる黒部川に沿って開発された、黒部峡谷鉄道へもこのロケでは取材を行っており、この写真は黒部峡谷の資料館で展示されていたものです。
ここに書かれているのは、完成までにかかった時間や資金、そして事故などで犠牲になった人の数です。
アルペンルートでも同じように、資料館では多くの労力と犠牲についての歴史が語られていました。そのため黒部ダムには慰霊碑も建てられており、そこには黒部ダム建設にあたって殉職された171名の名前が記載されています。
今現在、観光地として完成し、わたしたちがこうして楽しむことが出来ているのは、こんなにも多くの犠牲の上に成り立っていること。ベタですが、あらためて身の周りにあるたくさんの当たり前の物事に、しっかりと感謝しなければと思いました。
以上、今回の立山黒部アルペンルート取材の様子についてお伝えさせていただきました!
本当は他にも黒部峡谷の写真や美味しい富山の料理、現在制作中の釣りの本に関しても載せたかったのですが、長くなりすぎるため、また次回お伝えできればと思います。
それではまた「~ロケの細道~Part3」をお楽しみに!