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子どもは栄養好き!? 食べ合わせで必要な栄養素は補完できる!!

2020年12月23日
編集後記
若狭 和明

離乳食の食べあわせ

たまには贅沢をしようと、料亭の弁当を買って家族と食べた。12種の料理のオードブルで、舌をうならせる品々。その中でも、干し柿とバターを組み合わせた一品は、これまでに出会ったことのない味わいで、感動すら覚えた。また、食材は野菜、魚、肉、きのこ、豆類とさまざまで、栄養面も充実している。

浅草 茶寮 一松の「12種のオードブル」。

 

一方、4歳の娘はというと、私の弁当から好きなものをチョイス。肉料理が中心で、野菜といえばカリフラワーくらい。このごろ、好き嫌いが出始めて栄養面への偏りが心配になっていた。その横では、6か月の娘がおかゆにほうれんそうを合わせた離乳食を無我夢中で食べている。4歳の娘も乳児のときは同じだった。

こちらは干し柿とバターを組みあわせたものに、おぼろ昆布を巻いたもの、など。

 

好き嫌いが出るのは成長の表れでもあるが、栄養バランスを考えると嫌いなまま放っておくわけにはいかない。しかし、嫌いなものを無理やり食べさせると、食事自体への抵抗が生まれてしまう。嫌いなほうれん草を食べなくても栄養を得られれば……。

 

そんな悩みを解消してくれる一冊が、池田書店発行の「からだによく効く 食材&食べあわせ手帖」である。

 

2020/10/9「からだによく効く 食材&食べあわせ手帖」(池田書店)

 

栄養と栄養の相乗効果で健康に!

 

この本は、野菜、果物・木の実、魚介類、肉・卵・乳製品、穀類・豆類・藻類のジャンル別に、計308の食材を取り上げている。各食材の栄養の特徴や、それによる健康面の効果を紹介しており、さらに他の食材との組み合わせも記載している。相性とは栄養の相乗効果である。

 

この本で紹介している「ほうれんそう」の栄養を見てみると、β-カロテン、ビタミンCが豊富で、これらは細胞を傷つける活性酸素から体を守り、免疫力を増強し、風邪や肌荒れを予防する効果も期待できるとのこと。成長期の娘に必要な栄養だ。ちなみに本書で紹介している組み合わせ食材は「らっかせい」で、抗酸化作用のあるビタミンEが加わることで、さらに免疫力増強が期待できる。そのページの隣を見ていると、「ブロッコリー」が紹介されている。娘の好きな野菜だ。栄養を見てみると、β-カロテンとビタミンCが含まれており、ビタミンCにおいては「ほうれん草」よりも含有量が高い。さらに娘がしきりに食べていた「カリフラワー」にもビタミンCが豊富に含まれていた。あとは「ほうれん草」の主な栄養素である鉄分をほかの食材で補えば、栄養バランスを整えられる。

 

「ブロッコリー」と「ほうれんそう」の紹介ページ。

 

このように本書の使い方は自由自在。栄養バランスを整えたり、献立を考えたり、体の不調から必要な栄養を探したり、日々の健康に役立つ一冊である。これさえあれば娘の食事に対処しながら、長い目で好き嫌いを克服させることができそうだ。

 

ちなみに好き嫌いのない6か月の娘は、「ほうれん草」だけでなく、「ブロッコリー」、「にんじん」、「じゃがいも」、「コーン」、「豆腐」、「しらす」などを組み合わせた離乳食を毎日完食。食材それぞれを見てみるとどれも栄養に優れており、組み合わせることで五大栄養素がすべてまかなえる。赤ちゃんにとっては栄養バランスの取れた食材が、一番の贅沢なのかもしれない。

若狭 和明
スタジオポルト編集部部長。日本にある価値、を本で表現し発信するのが制作コンセプト。読者の心をくすぐりたい。