「文章術のベストセラ−100冊」のポイントを一冊にまとめてみた。
(藤吉豊、小川真理子著/日経BP)
この長いタイトルの本は、私が30年以上前に在籍していた制作会社で、同僚だった二人が書き上げたものです。つい最近2021年1月12日に日経BPから出版され、発売間もなく「わかりやすい!」とたちまち評判を呼び、本の売れ行きも好調のようです。
私は二人が送ってくれたこの本を、ちょうど連休中だったのでゆっくり読むことができました。さすがベテラン編集者、目の付け所が鋭い。文章にこだわりを持つ二人だからこそひらめいた企画だと感じます。
「文章術」を伝える本はこれまでも数多く出版されていますが、この本は、著者一人のノウハウ本ではありません。100人の100冊からノウハウを集めた全く新しい文章読本です。
100冊から、プロの文章家の共通のノウハウを拾い出し、それをランキングにして書き方の大切なポイントを教えてくれます。
文章術の名著100冊のエッセンスを、この一冊で学べると言っても過言ではありません。
つまり、「あらゆるジャンルの《文章のプロ》が、《大切だ》と考えている文章のコツを、重要なものから順に、身につけられる」(本書はじめにから引用)というわけです。
私が社員の皆さんの原稿を校正し赤字を入れながら注意していることと、重なるポイントが随分多くあります。また私も、あらためて気づかされたことがいくつもありました。
文章の悪い例を、どう直せば良いかという実例は、皆さんにとって大変わかりやすいお手本となります。
「文章をうまくまとめられない」
「自分の考えを文章で表現するのが苦手だ」
「文章がうまくなるコツがわからない」
こんな悩みを持っている人は多いかもしれません。
編集、ライティングのプロとして、伝えることを生業とする私たちにとって、文章は基本。この本には身につけたい大事なことがいっぱい詰まっています。おすすめします。ちなみに価格は1500円。(註:私は著者たちのまわし者ではありませ〜ん!!!)
栗田さつき