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鉄瓶

2024年10月2日
コラム
栗田 さつき

骨密度検査を受けました

9月末、区が推める骨密度検査をはじめて受けました。
年齢的に「骨粗しょう症は大丈夫かしら」と漠然とした不安があったので、せっかくの機会、骨の状態を調べてもらうことにしました。

不安に思う原因があります。それは子どもの頃から牛乳のにおいが苦手で、記憶を辿れば中学生くらいから牛乳をほとんど口にしていないこと。牛乳には骨をつくるのに欠かせないカルシウムが豊富と言われますが、その牛乳を全く飲んでいないのだから私の骨はきっと脆いに違いない。

骨密度検査を受けるちょうど1か月前、週末に通っているスポーツジムで筋肉チェックがありました。その筋肉チェックでは恥ずかしながら腹筋は一回もできず、片足立ちもまったくできませんでした。
コーチに言い渡された体年齢は「73歳」。病気で寝込んだりしたらそのまま寝たきりになりかねない、笑えない状況です。

ジムでの筋肉チェックは散々だったし、牛乳も飲んでいない……、きっと骨密度にもガッカリするに違いない、そう思い込んでいました。
恐る恐る骨密度の結果を見てみると「骨密度の数値は年相応で良好」とあります。

運動不足で筋肉もヨレヨレ、骨をつくる牛乳も飲んでないのに、骨密度を維持できているのは何故だろう。骨をつくるのに必要な栄養を、私は何から得ているのだろう。嬉しい結果なのになぜか納得がいきません。
あれこれ思い巡らしているとき、ふとガスコンロの上の鉄瓶が目に留まりました。

もしかしたら鉄瓶の効果?

「鉄瓶でお湯を沸かすと鉄分がお湯に染み出て、それを飲めば鉄分が体に自然と吸収される」
子どもの頃、父がまことしやかに話していたことを思い出します。
母は合理的な考えの人で、鉄瓶を洗う手間や錆が出ないように気遣う面倒さから電気ポットを使いたがっていました。父はそんな母の願いを容れず「鉄瓶以外のお湯でお茶は飲めない」きっぱりと言い切っていました。

父のお気に入りだった鉄瓶は年月が経ちすぎ、錆がひどくて使えません。昭和の時代の凝ったデザインが面白く、手元に置いています。

私がいま使っている鉄瓶は知人の結婚式の引き出物でいただいたもの。子どもの頃から父に刷り込まれた知識と習慣のため鉄瓶の手入れを面倒とも思わず25年間使い続けています。鉄分もカルシウム同様に骨や歯、血を作るもとになると言われており、本当かどうかわかりませんが父の言う「鉄瓶のお湯の鉄分」のおかげ(?)で骨密度は平均的な状態を保っているのでしょう。

日常的に使っている我が家の鉄瓶。使っていると内側に錆が現れる時があります。その場合はたっぷりのお湯で茶葉を煮出して錆を取り除きます。

若いうちは骨密度などあまり気にもかけないでしょうが、もし自分の骨密度を知りたいと思ったら、まずは自治体などの検査を上手に利用してみてはいかがでしょう。
そしてもし鉄分不足が気になるときは、鉄瓶のお湯を試してみてください。

鉄瓶はとても丈夫でタワシでこすっても傷つく心配がなく、私のような大雑把な人間にはありがたい道具です。これからもしっかりと骨密度を維持するために、頼りとする鉄瓶をもう少し優しく扱って、末長くお世話になろうと思います。

たまにダイニングテーブルで椅子に座ってお茶を点てます。鉄瓶で沸かしたお湯は滑らかで美味しいのです。
栗田 さつき
編集一筋、だいたい30年(微妙なお年頃なので)。楽しい情報をいっぱいお届けします。